さて、前ページまでで妊婦さんの体と心について理解を深めていただけましたね? それでは本題の妊娠中毒症についてお話していきましょう。妊娠中毒症がどういうものなのか、どのような症状が出るのか、悪化したときの危険性について説明しますね。

【1】妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の定義
妊娠する前にはなかったのに、<1>高血圧<2>尿タンパク<3>むくみ、3つのうちの1つか2つ以上の症状にあてはまるときを、従来では「妊娠中毒症」と呼んでいました。
しかし現在は「妊娠高血圧症候群」という名称に変更となり、むくみは定義から外されたのです。むくみは多くの妊婦さんに見られる症状なため、直接的な判断材料とするのはリスクが高いと判断されたのでしょう。とはいえ定義から外れたとはいっても、むくみが気にかけておくべき症状であることには変わりありません。
妊娠後期に発症する確率が高く、約10パーセントほどもの妊婦さんにあらわれるものです。妊娠中期などの比較的早めの時期に発症することもありますが、早い時期ほど悪化する可能性が大きくなってしまいます。
当サイトでは「妊娠中毒症」という名称で説明を続けていきます。定義から外れたむくみに対しても気をつけるべき事項として扱っていきます。


【2】あらわれる症状
<1>高血圧
妊婦さんの血圧は、通常よりも若干高めとなります。胎児に栄養分を与えているからです。日本産婦人科学界によりますと、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合を、妊娠中では高血圧とみなします。

<2>尿タンパク
腎臓が正常に機能しているときは、尿にタンパクはほとんど混じることはありません。妊娠中毒症にかかると、尿を作る役割の腎臓が機能低下するためにタンパクが漏れやすくなるのです。
自分で発見するのは無理であるために、産婦人科での健診や検査をきちんと受けることが大切です。

<3>むくみ
むくみが起きる原因はからだにたまった水分です。妊娠中、特に血液の循環が大きく増える後期は、ほとんどの妊婦さんにむくみが起きると言っても過言ではありません。
夕方や夜に感じたむくみが、翌朝にも続いていたら要注意です!


【3】妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)が悪化すると・・・
これらの症状が悪化してしまうと、赤ちゃんにきちんと栄養を送りとどけられなくなってしまうのです。本来はお母さんの血液がお腹の中の赤ちゃんに送られ、そうすることで赤ちゃんは栄養分や酸素を摂取しています。
ところが妊娠中毒症にかかると、母体の血液循環が悪化するのです。血管が縮こまってしまい血液循環が悪くなった結果、酸素や栄養素を十分に摂取できなくなってしまった赤ちゃんの発育に問題が出てしまう危険が高いでしょう。
最悪の事態として、赤ちゃんがお母さんの子宮内で仮死してしまうことも考えられるのです。重症となったときには、赤ちゃんだけでなく母体も危険な状態を迎えてしまいます。母子ともに分娩に耐えられない可能性が高くなりますので、帝王切開となる可能性も高まります。



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